【ファントムブレイカー:バトルグラウンド】やり込み後レビュー どこまでも爽快だが問題は不安定なオンライン

DLCも導入し、実績も埋まったところでレビューしていきたいと思います。最初に触ったときの爽快感は最後まで続いたのですが、やはり問題はオンラインの不安定さでした。

ファントムブレイカー:バトルグラウンド | PHANTOM BREAKER : BATTLE GROUNDS

配信直後に一度レビューを書いたのですが、DLCを購入し、実績もすべて解除できたところで区切りの意味も込めて、あらためてレビューしたいと思います。フレンドと遊んだり、1人でスコアを稼いでみたり、いろいろ検証してみたりと、なんだかんだでかなり遊びました。

配信直後に書いたレビューはこちら。褒めている部分は今回とあまり変わってません。良い点がずっと継続して感じられるってのは、コンセプトがしっかりしているからかなと思います。

【ファントムブレイカー:バトルグラウンド】レビュー 爽快感を最大化した2Dベルトスクロールアクション

まずは良い点からいきましょう。

コアである爽快感は最後まで失われず

このゲームの楽しさ、おもしろさの中心はなんといっても爽快感にあり、その爽快感は以下の2点に集約されています。

・コンボや必殺技のヒット感や手ごたえ
・ジャラジャラと湧き出すスコアアイテム

ベルトアクションといえば、プレイヤーが期待するのは敵をボッコボコにすることです。本作ではここがちゃんとわかっていて、本当にボッコボコにできます。コンボがもりもり繋がり、100ヒットも当たり前の世界で非常にキモチイイのです。

ドット絵で描かれたキャラクターはよく動き、技のバリエーションも多いため、動かしていて楽しいのもポイント。このジャンルはどうしても同じアクションを繰り返すことになりがちなのですが、動きの多さが単調さを跳ね返しています。

といっても、結局は同じコンボを繰り返すことになりやすいのですが、そこはヒット感や手ごたえの気持ちよさが上回っています。同じことを繰り返しているだけなのになぜか楽しいゲーム、というのは良いゲームの証拠だと思います。

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2点目のジャラジャラと湧き出すスコアアイテムは、ヒット数に応じて派手にあふれるため、爽快感のある演出になっています。チャリンチャリンとスコアを稼ぐ音は、なんとなく昔のアーケードゲームっぽいノリを感じさせてくれています。

「このスコアに何か意味があれば」という意見も目にしましたが、ボクはそうは思いません。ゲームにおけるスコアって特に意味のないものがほとんどで、意味がないからこそ無性に楽しいのだと思っています。何の意味もないけど、ジャラジャラとスコアアイテムを拾ってモリモリ伸びるスコアを眺めて、なんか楽しい!みたいな。

もし、スコアに意味を設けるなら、稼ぎを強要されかねません。コインに経験値的な意味を持たせると、死体蹴りを続けてひたすらコインを吐かせる作業がセオリーになり、ゲームのテンポが悪くなるかもしれません。死体蹴りでコインがでなくなったり、死体蹴りそのものをできなくしたりも可能でしょうけど、今度は爽快感が損なわれるかもしれません。

『レイディアントシルバーガン』のように、スコアを経験値にしてパワーアップするゲームもあるのですが、効率的に稼ぐことが攻略のコアになると、動きやスタイルが画一的になりかねません。『シルバーガン』はパズル的な要素を含んでいるのでそれでもいいのですが、『バトルグラウンド』のようなタイプのゲームには向いてないんじゃないかと思うのですよね。好き勝手に動き回って自由にボコスカできるからこそ、爽快感があるわけで、いまのスコアシステムがベストなんじゃないかと思っています。

上の2点以外で爽快感の要因になっているのがステータスのスピードです。このゲームのスピードは移動速度だけでなく、攻撃や必殺技など、すべての行動速度に影響します。なので、上げれば上げるほどキャラの速度が上がり、まるでゲームスピードが上がるように感じるのです。

すべての行動速度が上がるのだから、必殺技が連発できたり、普段繋がらないコンボが繋がったりと、いろいろぶっ壊れてしまいそうですが、「ぶっ壊れてもいいじゃない、キモチイイんだもの」というノリを感じずにはいられません。といってもそこまではぶっ壊れませんけどね。

ゲームに慣れるにしたがってキャラクターのスピードも上がっていき、進行速度もどんどん上がっていきます。なので、繰り返し遊んでいても爽快感が損なわれないんですね。ここはうまくリプレイ性に繋がっていると思いました。

さて、ここからは悪い点

協力プレイがコアのゲームでオンラインの不具合は致命的

本作の悪い点はなんといってもオンラインの不安定さ。海外のレビュー記事でも決まってこの問題が指摘されています。海外レビュー記事の点数はさまざまなのですが、レビュアーがこのゲームにおけるオンライン協力プレイの重要性をどの程度に考えているかで点数が上下している印象でした。

4人集まってからゲームを開始すると、大抵の場合、最初の場面で1人は落とされてしまいます。3人で続けていても、時間が経過すればするほど同期が重くなっていき、最後には切断されてしまう感じです。途中参加ができるならまだ良かったのですが、それもできないので結局、部屋を立て直すハメになるワケです。

ベルトアクションといえばなんといっても協力プレイがゲームのコアともいえます。協力プレイでみんなでボコスカやりたいからこそ本作を買う人も多いと思います。なので、この問題は致命的であると思っています。本当にもったいない。

また、残念なことにXBLAのタイトルは旬の時期が短いです。改善パッチの配信もできるかもしれませんが、それまでマッチングに困らないほどのプレイヤーがいてくれるかどうかはわかりません。初動で転ぶとそのままプレイヤーが離れていってしまう可能性が高いので、そういう意味でも致命的だったのではないでしょうか。もちろん、いまさら修正しても無駄、と言ってるわけではありません。一刻も早い修正を願っています。

さらに、DLCを導入した人としていない人がマッチングできない問題がのしかかってきます。これではプレイヤーを二分してしまいます。この問題はいままで他のゲームでもあったことで、いろいろな対処法がなされていると思うのですが、今回『バトルグラウンド』でとられた方法は1番やっちゃいけない方法です。DLCのデータを削除すれば一緒に遊べるといっても、フレンド間で遊ぶ場合はまだしも、野良で遊ぶ場合には厳しいでしょう。

ベストな解決法は未購入者ともマッチングができて、未購入者にも追加キャラクターが見えるようになっていることでしょう。買うかどうか迷っている人に、実際に助手が動いているところを見せられるわけですから、宣伝にもなるでしょうし。

ここまではオンラインの技術的な問題の話ですが、ここからはゲーム内容の話。

まず、協力プレイ中にスキルセットアップができない問題。レベルはどんどん上がっているけど、ポイントを使えないので一切強化できないまま進んでいってしまうことですね。オフラインのストーリーモードではステージクリアごとにスキルセットアップが挟まれるので、余計に「なんでできないの」感が大きくなっていると思います。

ステージが進むごとに敵が強くなっていくので、強化できないままだとジリ貧になっていきます。だからといってスキルセットアップをしたければ、一旦部屋を抜ける必要が出てくるのです。途中参加はできないので、一度抜けると戻ってくることもできません。自キャラが弱いまま続けてもしんどいですし、一旦抜けたら次に回線の安定している部屋に入れるかどうかもわからないので、ストレスに感じることになります。

やはり、協力プレイでもステージ間にスキルセットアップを挟んでほしいところです。テンポが損なわれることを懸念するなら、1分とか30秒とか、時間制限を設ければいいと思います。キャラクターセレクトにも時間制限ありますし。

次に、DLCなんですが、レベルキャップ解放によるカンストキャラの誕生について。これの何が問題かというと、唯一無二のゴールを作ってしまったことによるリプレイ性の低下ですね。攻略の余地がなくなってしまったのです。

限られたスキルポイントで自分なりの正解を考える楽しみがなくなってしまったわけです。「このスキルを捨ててステータスを上げようか」とか「このキャラはEX技よりオーバードライブの方が向いてるんじゃないか」とか考える必要がなくなってしまいました。だって全部取得できるんだもの。

決定的な正解がないからこそ、試行錯誤を繰り返すわけで、そこにリプレイ性が生まれると思います。ジャンルは違いますが、CoDシリーズのカスタムだってそうです。「次はこんなカスタムを試してみよう」と考えるから、また次の試合もプレイするのです。ボクはこういったカスタマイズ要素をあーだこーだと考えるのが好きなので、考える必要がなくなっちゃうのは寂しい限りです。

そもそも、レベルキャップ解放前のレベル50でも最高難易度のNightmareはクリアできるようになっていました。なので、レベルキャップを解放するのであれば、レベル99のカンストキャラ用に調整された難易度が必要だったのかもしれません。そうすれば、キャラ育成にゴールはあっても攻略の余地は残されるわけですし。

まとめ

『ファントムブレイカー:バトルグラウンド』は見た目のイメージどおり、敵をボコスカ叩いてジャラジャラとアイテムを拾う爽快なベルトアクションです。動画や画像を見て気に入った人なら間違いなく楽しめると思います。ただし、オンラインの不安定さがあるので、手放しでオススメできないのがもったいないところです。といっても、オンラインがまったく遊べないというわけでもないですし、爽快感はホンモノなので、気になった人はぜひ一度触ってみてほしいと思います。

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