【ロードス島戦記―ディードリット・イン・ワンダーラビリンス―】レビュー

早期アクセスとしてのリリースから約1年、ついに正式リリースされた『ロードス島戦記―ディードリット・イン・ワンダーラビリンス―』をクリアしたのでレビューなど。

本作は「ロードス島戦記」を題材とした探索型2Dアクションです。主人公はハイエルフのディードリットで、タイトルのとおり、不思議な迷宮に迷い込むストーリーとなっています。ヌルヌル動く美麗なドット絵ビジュアルとムズかしすぎず易しすぎない絶妙なアクションによる”ロードスヴァニア”は最高の出来栄え。原作ファンにもそうでない人にもオススメできる1本となっています。

※2021/4/10追記 レビュー動画を作りました。

原作知らなくても大丈夫ですが

原作ファンにとってはストーリーも気になるところだと思いますが、正直に申しますとボクは原作にはあまり詳しくないので、そこはすみません…。ディードリットがかつての仲間たちの姿を追って謎の迷宮を彷徨うストーリーなのはわかりますけれども、キャラクターの説明などはないため、原作を知らないとぼんやりとしたアウトラインしかわからない作りになっています。原作をわかっている人なら「ここでコイツが出てくるのかァ~~~!」みたいなアガり方ができるのかも。

滑らかすぎるドット絵アニメーションに驚嘆せよ

ゲームを始めてまず驚くのがドット絵。静止画でもすごくキレイなのがわかると思いますが、動くとさらに凄まじい。歩くモーションだけでいったい何コマ使っているのんだ…。驚愕のぬるぬるアニメーションです。これは動画ではなくぜひとも生で味わっていただきたいところ。溜息が出ますよ、マジで。

探索型2Dアクションの優等生

アクションの基本は武器による近接攻撃、弓矢による遠距離攻撃、それに魔法の3つ。最初はシンプルなジャンプ&アタックですが、ゲームが進むとスライディングや2段ジャンプ、ホバリングといったアクションが追加されてどんどん幅が拡がっていきます。それによって行ける場所が増えていく、というのは探索アクションのセオリーですね。敵の種類も豊富でステージギミックなどによるエリアごとの特色もあり、探索そのものがおもしろくなるような作り込みを随所に感じます。いいですね。

攻略のカギは攻防一体の属性チェンジ

アクションの特徴となるのが2つの属性を切り替えるシステム。風と炎の精霊を切り替えることでそれぞれの属性攻撃を吸収できるようになっています。オレンジ(炎)の攻撃がきたら炎に切り替え、水色(風)の攻撃がきたら風に戻す、といった具合。ボス戦などでは2つの属性が交互に襲い掛かってくるので頭がこんがらかったりしますが、パターンを見て冷静になればノーダメージも夢じゃありません。

属性切替の利点はこれだけではありません。攻撃を当てるともう片方の属性のゲージが溜まり、ダメージが上昇するようになっています。さらに、ゲージが最大まで溜まれば体力が徐々に回復する状態にもなります。なので、なるべくゲージの溜まった状態を維持したいのですが、ダメージを食らうたびに失われていくため、なかなかムズかしい。ともあれ、ゲージを持った状態が強いので属性を切り替えまくりながら戦うことになります。だから「今どっち属性だっけ?」と余計にこんがらかったりするわけですが、そこはプレイヤーの腕と冷静さが問われます。ボクの死因はだいたいこれでした。現在の属性は画面上部のド真ん中に表示されてるんですけどね。冷静さってホント大事。

難易度はいい感じ

難易度はムズかしすぎずカンタンすぎず、ちょうどいい塩梅になっています。序盤こそサクサク進めますが終盤はさすがに難所と呼べる場所も出てきます。道中はザコ戦よりもギミックに苦しめられた印象。死ぬわけじゃないし解き方もわかるんだけどなかなかうまくいかないようなヤツですね。矢で動く歯車、お前やぞ。

ボス戦も初見で倒せる場合もあれば何度もリトライさせられる場合もあります。死にながらもパターンを掴んで攻略していくのはこの手のアクションの醍醐味ですね。終盤にはかなり厳しめの戦いも待っていますが、回復アイテムなどを持ち込めばなんとなかったりします。他にも探索を進めて体力上限アップのアイテムを取得したり強力な武器や魔法を見つけたりしてけば自ずと道は拓けるはず。なので、ムズかしいけれどもムズかしすぎることはないですね。良調整ではないかと。

また新たなメトロイドヴァニアの名作が1つ

そんなわけで『ロードス島戦記―ディードリット・イン・ワンダーラビリンス―』、探索型2Dアクションとして非常に良作となっていました。初回クリアまで6時間ほどのコンパクトなボリュームですが、密度が濃くて満足度の高い仕上がり。メトロイドヴァニア好きなら間違いなくオススメの1本です。そうでなくともアクションゲームとして完成度が高いので広くオススメできます。原作ファンもそうでない人もぜひ。