【Shadow of Mordor】レビュー 『指輪物語』の世界でオークを率いてオークと戦うオープンワールドアクション

『Middle-earth: Shadow of Mordor』をクリアしたのでレビュー。『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』と『ホビットの冒険(ホビット)』の間の繋ぐ物語は、オークだらけのオープンワールドアクションでオーク相手にカッコイイ殺陣をキメつつ、オークを味方に率いての戦いになるという正真正銘のオークゲーでした。

海外ゲーマーのTwitch配信を見ていたら、ついカッとなって買ってしまったPC版『Middle-earth: Shadow of Mordor』、クリアできました。プレイ時間は15時間程度。まだまだクリア後にも遊べる要素がありますが、ひとまずストーリーは終了。英語版なのでストーリーはちゃんと理解できていないのが悲しいところですが、アクションは十二分に楽しめました。

前回の1stインプレッションは以下。第1印象と謳っておきながら8時間ほど遊んだ後に書いているので、大体ストーリーの半分くらい進行度での感想です。

【Shadow of Mordor】1stインプレッション 『指輪物語』の世界でオークだらけの殺陣アクション

今回は中盤以降の話になるわけですが、中盤で解放される新たなゲームシステムのおかげで印象がガラリと変わります。ただ単にオークをギッタギタにするだけのアクションではなかったのです。

『指輪物語』のオープンワールドでオークだらけの殺陣アクション

『Shadow of Mordor』は『指輪物語』と『ホビットの冒険』の間の物語です。剣と魔法の中世的なファンタジー世界を舞台としたオープンワールドのアクションになっています。主人公のタリオンさんはオークだらけになってしまった世界でオークどもをブチのめしに行きます。

マップ上に点在するイベントポイントへ行ってイベントを消化していく、という進行スタイルは「GTA」シリーズなどに近い印象。道路も車もありませんが、壁だろうが崖だろうがよじ登って進めるため、進行はスムースです。周りにいるのはオークばかりなので交通事故もありませんし、ある意味こっちの方が気楽だといえるでしょう。

一応、乗り物代わりにできる野獣もいますが、別に乗らなくても移動にストレスはありません。乗れば乗ったで楽しいのは言うまでもありません。

Shadow of Mordor 野獣に乗る

オーク相手に単身で挑むタリオンさんの武器は剣と弓と短剣の3つ。メインウェポンである剣は多数のオークに囲まれてもバッタバッタと斬り倒せるカッコイイ殺陣アクションが可能。遠距離で攻撃できる弓矢はフォーカスゲージがある間は狙っている最中にスローモーションになるのでヘッドショットも楽々。短剣はステルスキルのお供ですがオークどもは鈍感なので背後からブスリとやれるケースは非常に多いですね。

中でもカッコイイのが剣によるアクションで、適当にプレイしていてもそれっぽく見えるところがすばらしい。背後から殴りかかるオークをパリングで弾いて足元をすくってザクリ、など、自然と殺陣になるのでカッコよく壮快に仕上がっています。このカッコよさ、壮快感が『Shadow of Mordor』のコアにあるといってもいいでしょう。

オーク相手の殺陣アクションについては1stインプレッションで思い切り書いたのでそちらを参照していただければと思います。

わらわらと襲い来るオークたちもただのザコ敵というわけではありません。オークもオークの社会を形成しており、それがゲームに反映されているのが本作のおもしろいところ。プレイヤーを倒したオークが成り上がって中ボス化したり、オーク同士の抗争で勝った者の階級が上がり、負けた者はザコオークになってしまったりと、オークの実力主義社会がゲーム上で意味をもっているのです。

プレイヤーの行動が世界に影響をもたらすのはオープンワールドのゲームにおける大きな魅力の1つですが、本作では敵であるオーク側の社会に影響を与えることになっています。「どうせ叩き潰す敵の組織がどうなろうと関係ないのでは?」と思っていたのですが、そうではありませんでした。ものすごく関係があったのです。

オークを洗脳して裏から操るネメシスシステム

ゲーム中盤まで進めると解放されるのがネメシスシステム。要するにオークを洗脳して味方につけてしまえるシステムです。そこらへんにいるザコオークから中ボスオークまで、どんなオークでも味方につけてしまえるため、これが登場するとゲームがガラリと変わります。

序盤は1対多の戦いをカッコイイ殺陣で切り抜けていたタリオンさんですが、中盤からは多数のオークを味方につけた多対多の戦いができるようになるのです。多対多どころか、オーク同士をぶつけて自分は高みの見物ということさえできるようになります。

たとえば、オークの砦を攻略する場合、高台にいる弓オークを味方につけておけば、突入時に上から援護射撃がもらえたりしますし、多数のザコオークを味方につけて中ボスに向かわせることだってできます。オークを味方につけられるということは、戦力的な話だけではなく、戦術的、戦略的にも大きな変化をもたらすわけです。

こうなるとオーク社会がゲーム内に反映されていたことがさらに意味をもつわけです。成り上がった中ボスオークを味方につけ、別の中ボスに戦いをしかけてさらに洗脳する…こうしてプレイヤーはオーク社会を裏で操るフィクサーになっていきます。オークなんかに絶対負けたりしない!ゲームだと思っていたら、オークにダブルピースさせるゲームだったとは。

増えていくアクションがどれもカッコよくて楽しい

オークを味方につけられるといっても、やはり戦力のメインは主人公であるタリオンさんです。タリオンさんは数々のミッションをこなしたり、収集アイテムを見つけたりすることでゲットできるポイントを消費してアビリティを習得したりパワーアップしたりできます。どんどんアクションが増えていく感じですね。

特に気に入っているのがShadow Strike。弓矢を当てた場所に瞬間移動できる技で、その動きは縮地ともゼロシフトともいえる最高にカッコイイものです。正直、反則に近い能力ですがカッコイイからいいですよね。

ただ、増えていくアクションは楽しいものの、別に使わなくてもなんとかなってしまうのが悲しいところかも。前述のとおり、適当にボタンを押していてもカッコよく立ち回れるため、追加アビリティを意識しなくても平気なんですよね。これを単調と感じてしまうプレイヤーもいるんじゃないかなと。といっても、追加アビリティを使わなければ突破できない調整にしてしまうと自由度が損なわれてしまうでしょうから、ムズかしいところですね。

何にしても、最後までアクションが気持ちよくでカッコよかったので満足。カッコイイアクションに魅せられて本作を買ったわけですし、やりたかったことができた感じです。

クリア後も続くオークワールド

メインのストーリー自体はやや短めの印象。多少の寄り道をしても15時間程度ですから、一気に進めれば10時間もかからないかもしれません。ストーリー終了後もそのまま引き続き遊ぶことができます。サイドミッションや収集アイテムなど、やり残したことを遊べる感じですね。オークの社会も存続しているので、元気にオークと遊ぶことができるわけです。

とはいえ、サイドミッションも似たような内容が多いため、ボリュームはあるけど全部消化する前に満腹になっちゃう印象は否めません。特にクリア後になると消化作業になってしまいがちなのは、このジャンルのゲームの泣き所でしょうか。

メインのストーリーの長さについては、ゲームに飽きる前に終わるくらいと考えればちょうどよい長さかもしれません。サイドミッションはいっぱいあるのでお好みで遊べばよいわけですし、ボリュームに関しては過不足ないといえるでしょう。

ともあれ、カッコよく立ち回ってオークどもをバッタバッタとなぎ倒せる気持ちよさは本物なので、『Shadow of Mordor』は広くオススメできるアクションゲームに仕上がっています。2014年10月現在では英語のPC版のみですが、12月25日には日本語の家庭用版(PS4、PS3、Xbox One)が発売されるので、そちらを待つのもアリでしょう。オークだらけの世界で大暴れしたい人もオークを愛でたいオークファンの人もぜひ。

公式サイト:シャドウ・オブ・モルドール
Steam:Steam:Middle-earth™: Shadow of Mordor™

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