ドット絵のデフォルメキャラクターによるベルトスクロールアクションの新作『Devil’s Dare 悪魔の挑戦』。色遣いを抑えたシックな見た目とは裏腹に押し寄せる怒涛のパロディラッシュ。ゲームシステムはシンプルながら、稼ぎと攻略と壮快感が1つになった仕上がりをみせています。
『Devil’s Dare 悪魔の挑戦』はゾンビもののドット絵ベルトアクション。なぜかタイトルに日本語が含まれていますが、そういう正式名称です。正直、発売までノーマークだったタイトルですが動画を見て一目惚れ。ドット絵のデフォルメキャラとかベルトアクションとか、好物を混ぜたら大好物になるというものです。
動画はこちら。ゲームの内容は90年代風だと思うのですが、PVはなんだか80年代風。
Devil’s Dare Release Trailer – YouTube
シックなビジュアルとは裏腹のパロディラッシュ
全体的に茶色っぽく色数を絞ったビジュアルがオシャレで印象的。このシックなビジュアルでやっていることは古今東西のゲームや映画のパロディばかりなのです。プレイヤーキャラクターやボス敵の動き、背景やステージのギミックなど細かいところまで元ネタをたどり始めたらキリがないほど詰め込まれている感じ。
プレイヤーは4人のキャラクターから1人を選択します。剣と盾を持った青年AXELは回転斬りにフックショットを扱い、極めつけは盾に刻まれたトライフォースの紋章。紅一点QUEENIEは魔導アーマーに乗って魔法を詠唱してるし、どうみてもドワーフにしかみえないKINGSTONは斧を振り回して雷の魔法を使ってるし、2本のサイで戦う忍者少年JACKはステージクリア時に「カワバンガー!」とか言い出すし。超えてはいけないラインが壊れているようです。
プロローグで「Hey Listen!」と語り掛けてくるナビィみたいな人も。でもこの人、実は…。
各ステージの最後に登場するボスもネタまみれ。ゾンビものだと思っていたらターミネーターが出てくるし、しかもワイヤーフレーム状の大砲を召喚して「プロトーンキャノーン」とかいって極太ビームを撃ってきます。もうどこからつっこんでいいのやら。
他にもゾンビでも悪魔でもないヤツが平気な顔して登場します。っていうかなんですかその名前は。もうツッコミが追いつきません。
これは…もう突っ込まない方がいいのかな…。
ネタまみれになっているボスたちですが、大体みんな強いので注意。あふれるパロディに飲み物吹いてるとカンタンに死ねます。ラスボスとかズルイくらいの強さですし。ちなみに、プレイヤーキャラクターの選択画面で2人のシルエットがみえますが、彼らはクリア後にアンロックされます。この2人も愉快なパロディ満載なのでぜひともクリアして触ってみましょう。
稼ぎと攻略と壮快感が噛み合ったFATALなシステム
操作は方向キーで移動、攻撃は通常攻撃と必殺技の2ボタン。ダッシュは方向キー2回ですが、ボタンにも設定できます。攻撃の隙はやや大きめですがダッシュは結構速いので、動き回って敵を一方にまとめるというベルトアクション伝統の攻略法が活きてきます。
必殺技は方向キーとの組み合わせで3種類あり、画面下部の4分割された青いゲージを消費します。ゲージは時間で回復しますが、敵からドロップされる青いアイテムでも補充されるため、ガンガン使っていけます。ただし、敵に攻撃を喰らったとき反撃として使った場合は全ゲージを消費してオーバーヒート状態になるリスクもあり。
難易度はそこそこといったところ。ステージは選択制で、選んだ順により展開が異なります。クリアまでに10以上のシーンを進むことになるためボリュームも十分。
しかし、本作には残機がありません。アーケードゲームスタイルで死ぬと終了なのに残機ゼロでスタートなのです。死んでしまった場合、所持金を使って復活となります。地獄の沙汰も銭次第。お金が残機といってもいいでしょう。
お金の使い道は残機だけではありません。ステージクリア時に各種パワーアップアイテムを買うときにも使います。必殺技を強化したり、体力を増やしたり、残機を買うより安くコンティニューできるアイテムなど、さまざまなアップグレードを購入するためにもお金は必要なのです。戦いは金だよ兄貴。
となると、稼ぎが重要になってきます。敵を倒せばお金をドロップしますが、ただ倒すだけではあまり稼げません。敵の体力がゼロになると「FINISH HIM!」と表示されるので、ここで必殺技を叩き込めば「FATALITY!」となり真っ二つ。こうすると残虐フィニッシュというだけでなく、お金もいっぱい落ちるのです。
さらに、3体以上の敵を同時に「FATALITY!」すれば「MASSACRE!!」となり、回復アイテムまでドロップします。回復アイテムはベルトアクションのお約束通り、そこらへんの木箱やゴミ箱を壊しても出現しますが、敵を倒すことでも入手できるため、意識して狙っていけば生存率は飛躍的に伸びていきます。
要するに、稼ぎを意識して残虐フィニッシュを狙っていけばゲームクリアに近づくわけです。敵をまとめて倒そうとすれば敵を一方向に集めるように立ち回ることになるので、自然とベルトアクション攻略のキモが身についてくるのも見逃せません。何より、まとめてボコボコ殴りまとめてザクザク倒す、ということが気持ちいいので、気持ちよくなろうとしたら自然と攻略になっていて、クリアにも近づいているわけです。
『Devil’s Dare 悪魔の挑戦』を特徴づけている「敵をまとめて残虐フィニッシュ」というシステムは、稼ぎと攻略と壮快感が1つに結び付けられた、実に優秀なゲームシステムといえるのではないでしょうか。Toasty!
丁寧な作りを感じる良作ベルトアクション
ネタまみれでひとしきり笑わせてくれる本作ですが、ベルトアクションとしてもカッチリ作り込まれているので真面目に遊んでも楽しめるという、1粒で2度おいしい良作です。元ネタを探ってツッコミ続けるもよし、ひたすらゾンビを殴り続けるもよし。ローカルのみですが4人COOPにも対応しているので来客用にもよさそうです。
そんなわけで『Devil’s Dare 悪魔の挑戦』、良質なベルトアクションとしてオススメ。ゾンビとかそうじゃないヤツらとか、ハチャメチャが押し寄せてきますがとにかくまとめて「FATALITY!」してやりましょう。『Devil’s Dare 悪魔の挑戦』はSteamで配信中です。