食パンの目標はトーストになること。『I am Bread』は、キッチンの隅にあるトースターを目指して食パンが奮闘する様をゲーム化したものです。汚れた床や水場やアリの行列に身をさらさないよう、清潔な鮮度を保ってトースターにたどり着くことが彼らの使命。生きてトースターに到達せよ!
『I am Bread』、直訳すると「私は食パンです」。カッコよくいえば「吾輩は食パンである」。本作ではプレイヤーは食パンとなり、食パンを操作してトーストになるべく部屋の中を冒険するのです。
食パンを操作する、といっても食パンマンではありません。正真正銘の食パンです。この時点ですでにいろいろとおかしいのですが、本作は『Surgeon Simulator』を手掛けたBossa Studiosが開発した、といえば納得できるでしょうか。
食パンを操作してトーストになるために部屋中を冒険するゲーム、なんていわれても困る、どういうゲームなのかさっぱり想像もつかない、という人は動画を見てみるとよいでしょう。
I am Bread – Gameplay Video – YouTube
2014年12月4日にSteamの早期アクセスとしてリリースされており、この記事を書いている時点ではまだ開発中のタイトルです。
公式サイト:I Am Bread – Bossa Studios
Steam:I am Bread
食パンはロッククライマー
ゲームの内容は徹頭徹尾ふざけていますが、「自分を焼けるところまで移動して立派なトーストになる」という明確な目的があり、ちゃんとクリアのあるゲームになっています。また、『Goat Simulator』のように大暴れできるゲームでもありません。破壊活動ができないわけではないのですが、所詮は食パンなのでヤギほどの戦闘力は望むべくもありません。
操作はちょっと特殊。食パンの四隅にボタンが割り当てられており、ボタンを押している間はその点を握って掴む、というもの。掴んだ場所を起点にして回転するように食パンを動かせます。床や壁などどこでも掴めるので垂直な壁でも登っていけますが、掴んでいる間はグリップゲージが減少していくのであまりのんびりもしていられません。何も掴んでいない状態ならゲージはすぐに回復するので、手早く移動することがカギになります。
慣れれば垂直な壁でもスイスイ移動できるようになります。というか、それができないと最初のステージすらクリアできません。ある程度慣れてくれば行きたい方向に移動することは問題なくできるようになりますが、それでも思い通りに動かすのはやっぱりムズかしいですね。
スタート地点にあるジャムを塗っておけばグリップにボーナスがつくとか。他にもトーストになるまでにあれやこれやを身体につけておけばクリアランクだけでなくいろいろとご利益があるのかも。
握力ゲージに注意しながら掴むポイントを見極めて進む感覚はなんとなくロッククライミングっぽい印象。両手両足を1つずつ動かして掴める場所を掴み、ちょっとずつ登っていくような、そんな感じです。おそらくそういうコンセプトなんじゃないかなと推測してます。
食べられる状態を維持してこその食パン
食パンですから食べられなくなったら一巻の終わりです。画面左上には食べられる状態を意味するEdibilityゲージが表示されており、汚い床に落ちるたびにゲージが減っていきます。ゼロになるとゲームオーバー。もう食べられません。床に落ちた程度ならEdibilityゲージはじわじわ減少する程度ですが、水場に落ちたりアリの行列に巻き込まれたりすると一瞬で消し飛びます。まさに即死。I was Bread.
体力に相当するEdibilityゲージをできるだけ残した状態でゴールに到達することが目標になります。当たり前ですが、足跡だらけの床に落ちたパンなんて食べたくないですよね…。ゴールにたどり着いて自らを焼けば「I am Toast!」となりステージクリア。Edibilityゲージや経過タイムにより評価が下されます。
クリアランクについては今後オンラインランキングにも対応するっぽいですね。
食パンの冒険は続く
最初のステージはキッチンでしたが、次のステージはラウンジ。トースターなんてありませんけど…?とあたりを見回すとストーブが鎮座しているではありませんか。そう、トーストになれるならトースターである必要なんてないのです。本作はステージごとに違う部屋で違う場所を目指すゲームになっています。
食パンが進むべきルートはステージごとにある程度決まっている感じです。ソファーの上と床の上にどれほどの差があるのかという気もしますが、基本的に床でなければ大体セーフ。壁の上や棚の上などを伝って目的地を目指しましょう。時にはスケボーに乗って進むことも。…床より汚くね?
言ってみればこのゲーム、ルートを模索して床に落ちないように進むだけなのですが、食パンが思い通りに動いてくれないのでなかなかの難易度になっています。壁や棚を必死に掴んで右往左往しているうちに部屋中がめちゃくちゃになっていきますが、トーストになるためには仕方のないことでありましょう。
個人的な感想ですが、このゲームをやっているとなんだか食欲が失せていく気がするのですよね…。床や壁をビッタンビッタンした食パンとか無理です、ハイ。
バカゲーの皮を被った遊べる食パンゲー
そんなわけで『I am Bread』は見た目こそシュールなバカゲーですが、中身はかなり遊べるゲームになっております。明確なクリア目標があるため、数時間笑ったら終わりというわけでもないです。フラフープやレンガと比べるようなタイトルではないといっていいでしょう。
おバカなゲームだと思って笑いながらはじめてみると、いつの間にか真剣な眼差しで画面に向かっている自分に気付くはず。なかなか思い通りに動かない食パンに声を上げるかもしれません。そのくらいガチで遊べそうなポテンシャルを感じます。といっても、食パンがくねくね動いている様はやっぱり笑ってしまうのですけど。
『I am Bread』はSteamの早期アクセスで配信中です。遊べるバカゲーが欲しいアナタにピッタリのタイトルですよ。